運賃と料金

「運賃」とは、「人又は物品の運送に対する対価」、「移動の対価」であり、一方「料金」とは、「運送以外の設備の利用や付加サービス、役務の提供に対する対価」と定義できます。

料金といえば特急料金、急行料金を直ぐに思い起こしますが、この特急料金は、明治36年に山陽鉄道(現JR西日本山陽本線)の神戸・馬関間で設けられたのが始まりといわれています。
また、急行料金は、明治39年に東海道線新橋・神戸間で設けられました。
この特急料金、急行料金は、

① 速達性に対する価値が大きいこと、
② 施設やサービスが良好なこと、
③ 高速運転のための費用やサービスの高度化のための費用が増大すること

等が設定の要因となっています。

料金にはこの他、特別車両料金(グリーン料金等)や、寝台料金があり、これらは「設備の利用や付加サービスに対する対価」であり、払戻し手数料等は、運輸に付帯する役務の提供にたいする対価といえそうです。
なお、入場料金は、無制限に送迎者の入場を認めると鉄道作業に支障が起こるとして、制限的な意味合いを込めて明治30年に設けられたのが始まりです。現在の入場料金は、基本的には初乗り運賃と同額で設定されています。
ところで、入場料金は設備の利用?それとも役務の提供?
自動出改札機のない頃、駅員さんの手をわずらわして入出場していたときは「役務の提供」の色彩が強かったかもしれませんね。